箱根強羅温泉ツアー

6時起床。7時25分に家を出る。新大阪には集合時間にやや遅れて8時20分過ぎに到着。新幹線は8時50分発こだま642号。グリーン車のゆったりとした座席で雑誌WEDGEの記事などを読む。岐阜羽島駅到着は9時42分。すぐにバスに乗り込み、9時55分に箱根に向けて出発。11時半過ぎ、浜名湖SAで休憩。スタバがあったので、なかなか買えていなかった豆を買う。妻と娘が買ったみたらし団子の串に残った「いちばん美味しいところ」をもらう。11時55分出発。東名高速でこの先10数キロの渋滞が発生しているとの情報。行程どおりにはいきそうにありません、との添乗員の言い訳の弁。車内で、朝出発時に頼んでおいたオプションの弁当を昼食にいただく。桜エビの炊き込みご飯が特色でお味はまずまず。
水ヶ塚公園に着いたのは15時45分頃。これほど間近に富士を見るのは中学校の修学旅行のとき以来ではないか。そのときは五合目までバスで行ったのだが、そこから上はガスがかかって、山頂のほうはよく見えなかったような覚えがある。しかし翌朝には、富士はその全貌を見せてくれた。空はどんよりと曇ってはいたものの、空気はよく澄んで、たぶんは宿があった河口湖畔からだったと思うのだが、そこから見上げた端正な佇まいの富士は、たしかにこれぞ富士と思わせる、じつに雄大な富士だった。駐車場から軽く10分ほど展望台まで雪の山道を登る。あいにく頂上付近に雲がかかっていて全貌は拝むことができない。それどころか、宝永山の火口すらはっきりとは見えず、その異様なほどの窪みの大きさがわからない。それでも間近に肌で感じることができたのは、富士の裾野の巨大さである。夕暮れが近いこともあってか、標高千五百米の空気はさすがに冷たく、日射しの色だけが目に暖かく感じられた。富士は、途中のバスの車窓からも、あと少しで頂の先というところまで見えたときもあったのだが、太宰治の『富嶽百景』でいわれているような鈍角ではなく、やはり鋭角な、頂の高い、秀抜の山であった。ほんとうに言葉どおりの、見上げるように高い山なのである。
16時45分に水ヶ塚公園を出発し、17時45分頃今夜の宿である「雪月荘」に着く。18時より夕食。夕食はツアーに付いていて、二つあるうち選んだのは天ぷらとお寿司のコースで、それにしゃぶしゃぶが付く。肉も上質でネタも新鮮、野菜は野菜の味がしている。地ビ−ル中ジョッキ一杯に冷酒一合。久しぶりにうまい寿司を食った。いったん部屋に戻って大浴場で入浴。露天風呂などを楽しむ。温まりすぎないよう注意して湯から上がって、持ち帰り自由の乳酸飲料を三つ四つ風呂かごに入れる。妻と娘が部屋に戻ってきてNHKの火曜ドラマなどを見ているのを横目に、こちらは畳からは一段高く設えられた床に並べられた、それだけでベッドに見えかねない分厚いマットの上に敷かれた布団にごろ寝を決め込む。そのまま吉村昭の「平家物語」を読了。娘がせがんで妻と花札なんぞをし始めたので、こちらは今度はひとりでビールにおつまみとする。缶ビール大を二缶。すでに娘はエクストラの布団を自分で敷いていた。午前1時過ぎ、就寝。