田中好子が

21日に亡くなった。55歳。乳癌とか。そんな大病を抱えていたなんて、ぜんぜん知らなかった。ちょっとショックである。今日、スーちゃんの公開された最後の肉声というのを聞いた。声に力がなく、まぎれもなく病者のそれであったが、そういう状況にあってさえ他人のことを思いやる心を、痛ましく思った。ひとのあわれというものをあらためて感じた。しかし肉声テープの公開前後の、夫によるあの「演出」は、いかがなものか。いかん、まことに遺憾である。葬儀というもの自体が、そもそも「演出」なのだとしても、である。女優である妻の「名演」に比べると、そこはやはり素人というべきか、なんとも茶番なものであった。