吉村昭『破獄』、桑田光平『ロラン・バルト』

吉村昭は最近の通勤の友である。この作品は最後にほろりときた。桑田氏の本は、久しぶりに読み返したいと思っていたバルトに関する本で、前から本屋さんで目にはついていたのだが、機が熟さずにいた。この間手に取ってみたら、すんなりと入って行けたので買った。博士論文に使えなかった「くず」ネタでできていると、著者はまえがきで記しているが、どっこいそんなことはない。始まりについて、教育について、エクリチュールについて、偶発事について、彼自身について書かれているのだから、読まずにはいられません。