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『ホーリー・モーターズ』

@梅田ガーデンシネマ。久しぶりに映画を観たって感じ。(以下ネタバレ) これは夢の映画であり映画の夢を夢見た映画なのだろう。 昨日見た『先祖になる』と真逆の映画だ。 個人の存在は小さくなり、行為(の意味や強度)は映像としての美しさに代替されてい…

『先祖になる』

(@第七藝術劇場)を観た。ドキュメンタリー映画だ。 老人に元気があって、それには氏神信仰という宗教的背景があって、きっと田舎にも可能性はある。 でも心から敬意を表したいと思ったのは、否応なしに他人を巻き込んでしまう佐藤直志という人の個性の魅…

『ある海辺の詩人』

“Io sono Li”@シネ・リーブル梅田。2011年、アンドレア・セグレ監督、仏・伊。古代中国の詩人屈原と現代イタリアがどんなふうに出会うことになるのか、ワクワクして観ていました。 媒介項としてユーゴからの移民である漁師とヴェネツィア近くのラグーナとい…

『ザ・マスター』

を観たのですが、その直後には自分が何を見てどう感じたのかをうまく表現できそうにありませんでした。 これまでにあまり観たことがない映画だったからです。 そのモヤモヤのようなものが、ようやくかたちになりそうなので、以下に記してみようと思います。 …

『クラウド・アトラス』

目の前にドアがある。これまで誰も開けたことがないドアだ。 誰にも開けられそうにないドア。それをいったい誰が開けるのか。 いつかどこからかバットマンかスパイダーマンが現れて... いや、そうではないのだろう。 なぜなら、そのドアは君のためだけに用意…

『アルゴ』

@シネピピア売布。観て来ました。噂に違わぬハラハラドキドキの映画。手に汗を握るとか、固唾を呑んで見守るなどの常套句があるけど、まさにそれ。美術もすごい。よくあの1980年前後の時代を(建物・自動車・電化製品・衣服・メガネ・髪型その他あらゆる物…

ジャンゴ

@MOVIXココエあまがさき。 複雑な世界を複雑なままに愛したい。以前の「夫婦の会話」のエントリで僕が言いたかったことは、結局そういうことだったのかも知れません。でも、そんな実現困難な希求を抱えている人は、だからこそかえって娯楽の世界ではむしろ…

『久里洋二の全仕事』

第七藝術劇場。 手塚治虫がビートルズなら久里洋二はローリングストーンズ?久里作品における音楽、あるいはサウンドの重要性。 ま、それより何より、お土産に買った久しぶりのみたらし団子が、おいひぃ〜!

『ミッドナイト・イン・パリ』(DVD)

O Paris, Paris, wherefore art thou Paris? 見逃していたのを、これはDVDで観ました。 この映画は、多くの人々がなぜパリに魅力を感じるのかについて、よく説明してくれます。 リアルな世界にロマンを対して一定の距離を置き、さらにロマンの中にロマンを重…

『ムーンライズ・キングダム』

観てきました。@MOVIXココエあまがさき。 この映画、感想を一言でいうと、わーい! である。事前にそれほど期待してなかった(失礼!)分、これは儲けたなという感じ。久しぶりに冒険に憧れていたピュアな中学生だった頃の気分に戻れました。いわゆる「変人…

『東ベルリンから来た女』

試験問題に目処がついたので、観てきました。@テアトル梅田。 この映画、なんといってもニーナ・ホス演ずる女主人公バルバラがかっこいいです。ハードボイルドっていうか、なぜだか石井隆の漫画を思い出してしまいました。もちろん、そのかっこよさを支えて…

『夢を売るふたり』

見逃していたのを観てきました@シネ・ピピア売布。ここはDVDが発売される時期まで遅れて(実はそれを待って?)上映してくれるから有り難い。 期待は裏切られなかった。間違いなく西川美和監督のこれまでの最高作だと思う。 『ディア・ドクター』を観たこと…

『塀の中のジュリアス・シーザー』(英題『Caesar Must Die』)

今日は代休。大阪で観てきました@シネ・リーブル梅田。 これはローマにあるレビッビア刑務所の重警備棟の囚人たちがシェイクスピア劇に取り組む映画。 構図、陰影、カット割り、色使い、音楽のどれを取っても、タヴィアーニ兄弟は健在だ。二人とも80歳を超…

『駄作の中にだけ俺がいる』

観て来ました@第七藝術劇場(十三)。この映画にはチラッとしか出て来ませんが。『畦道』という絵には驚きましたし、笑っちゃいました。確かにこういう生き方もアリというふうに撮られています。オール・オア・ナッシングの世界という会田の言葉が重い。 htt…

『ライフ・オブ・パイ』

観てきました。映像もすごいし、内容も深い。物語るという行為の意義、重要性に改めて向き合わされますね。 http://www.imdb.com/title/tt0454876/

『エンド・オブ・ザ・ワールド』

観て来ました。@テアトル梅田。キーラ・ナイトレイが可愛い。 http://www.imdb.com/title/tt1307068/?from_app=ios&mode=desktop

大島渚追悼

大島渚の代表作9本の予告編とともに彼の経歴を振り返っています。 才能あふれる映画監督でしたね。彼の作品のなかでは、たぶん『日本の夜と霧』が、私のいちばんのお気に入りです。 Truly great talent. Night and Fog in Japan is probably my favourite fi…

『レ・ミゼラブル』

観て来ました。@TOHOシネマズ西宮OS。 アップが多いのはしょうがないとしても、改めて元の舞台の演出がよくできていたんだなと。 http://www.imdb.com/title/tt1707386/

『最強のふたり』

@シネ・ピピア売布 遅まきながら鑑賞しました。いいですね。 http://www.imdb.com/title/tt1675434/

2012年の3作

今年見たDVDも含めました。 1、『ニーチェの馬』(タル・ベーラ監督)2011年ハンガリー他、2012年日本公開 映画の力を再認識させてくれた一作。全編を通して強い風に見舞われ続けます。今でもその風音が耳について離れないのですが、それはきっと強烈な映像…

タル・ベーラ監督『ニーチェの馬』

を観てきた。予想に反せず、画面に目を釘付けにされながら、しかし始まりの以前についても、終わりの以後についても一切説明がなく、描かれる父と娘の六日間のうち、一人の男と馬車に乗った集団の訪れが計二度あるものの、とくに展開らしきものもない映画だ…

成島出監督『聯合艦隊司令長官 山本五十六』

山本五十六の人物を中心に描いていて、食べ物、将棋、インタヴューを介した場面で、他の人物たちとのやり取りの中での微妙な表情(演技)が効いている、と思った。世相や民衆の生活の実態は、エピソード的に挟まるだけ。新聞記者についての描写も乏しく、内…

DVD『大いなる遺産』BBC版

ディケンズの原作は未読なので、これはぜひ読まねばならない。彼に影響を受けた作家が多かったはず。出生、身分、怨恨。英国にも社会の自由化民主化の歴史があったのだな、と改めて思った次第。ランプリングが絶妙の演技をしているが、映像が何といっても美…

『トスカーナの贋作』DVD

二人が話す英語、仏語、伊語もそうだが、選ばれた音楽であったり、街に聞こえる様々な偶然の音であったりするものの、交互の響き合い、重なり合い。丘の上にあるらしい小さな街に射す強い、しかし徐々に傾いていく光とその陰翳。画面の構図についても、申し…

パゾリーニ『奇跡の丘』(DVD)、『アポロンの地獄』

昨日は仕事を休んでこのDVDを観た。初見。台詞はほとんど福音書にあるもの。イエスを演じる男優の迫力とロケ地の素晴らしさが印象に残る。一つ一つのカットやそのつなぎの斬新さでは、先日やはりDVDで観た『アポロンの地獄』に及ばないかも知れないが、カメ…

ブルー・プラネットDVD-BOX

を買って娘にプレゼントしたのは、先月の半ばか。彼女、遠く鴨川シーワールドまでシャチを見に行ったのに、台風の直後でまだ影響があってバスの到着が遅れ、計画がおじゃんになった、とのことだったので。その後、時々見ている。画像のつなぎ方が意図的で気…

西宮ガーデンズで

Terrence Malick,The Tree of Life(@TOHOシネマズOS)を観たのは、8月の何日だったか。思い出せたら後から記す(12日か13日、昼飯に久しぶりに外でお好み焼きを食べたのだった)。結構楽しめた。一緒に見た妻は隣で爆睡していたが。 Pier Paolo Pasolini…

コクリコ坂から@シネピピア

懐かしい。懐かしすぎる。画面に出てくるものが。出てくるものの動きまで。宮崎吾朗は、(前作に比べて)よくやったと思うけど、映画としては「ポニョ」のほうが、私としては面白かった。動く画としての面白みでいうと、オヤジさんのほうが試みとして奔放と…

ツーリスト@109シネマズHAT神戸

ハーバーランドからコンチェルトに乗船してビールを飲み、モザイクから帰ってきて久しぶりに王子公園駅で降りたが、浜への道を見失いタクシーに乗る。JR灘駅からなら真っ直ぐ下っておしまいなのだが、暗くなっていたので土地勘が狂ってしまった。妻がいたし…

英国王のスピーチ@シネ・リーブル神戸